【保存版】英検に出る! 要約問題のコツ ~前編~ How to Write a Good Summary

はじめに
これまでの英検では、2級・準1級・1級のライティングについては指定のトピックについての意見論述が1題のみでしたが、この度のリニューアルで2024年度から文章の要約問題というものが1題追加されることになりました。また、準2級と3級については既存問題に加え、Eメール問題というものが加わるのですが、この記事では、特に要約について詳しく解説していきます。
試験となると、つい対策や近道ばかりを探しがちになってしまいますが、要約問題は、その日に初めて目にする文章と真っ向から向き合い、かつその場でできるだけ早く文章全体の内容を理解し、さらに要約もしなければならないわけですから、改めて“要約とは何か”ということをあらかじめしっかりと理解しておくこと、それこそが近道なのではないかと思います。
※公益財団法人 日本英語検定協会は現在、準2級と2級の間に新たな級を導入することを検討しており、2025年度からの開始を目指し今後開発を進めていく方針だと発表しています。よって、この記事はたとえば準2級で出題されるライティングのみに限定して対策をするようなものではなく、「そもそも要約ってどうやったらいいの?」という人のために、要約を英語でできるようになるための重要なポイントをまずは日本語で解説していきます。
誰しも中学や高校の頃に国語の授業で要約問題を解いた経験はあると思いますが、国語のテストや問題集で出題される要約問題というのは、文章全体をすでに要約してある短い文の穴埋めをするだけの問題であったり、数段落に絞られた状態でそれらを要約する問題が出るといったように、ある程度長い文章を一から要約するといったチャレンジングな問題を出題されることはあまりなかったのではないでしょうか?そもそも要約があまり得意ではなかったという人もいるでしょうし、実際にそれが英語となると、要約の仕方は果たして同じなのか、などいろいろと疑問に思うところはあると思います。
2024年度から問題形式がリニューアルされたことにより英検2級の要約問題がいったいどのように出題されるものなのか、例として以下に公式のリンクを貼っておきますので、まずは問題例と解答例をざっと確認したいという方は、先にこちらをちらっと覗いてみて下さい。
2024年度 実用英語技能検定(英検)【問題形式リニューアル】出題例 2級
https://www.eiken.or.jp/eiken/2024renewal/pdf/3_grade_2_w.pdf
この記事は前編ですが、後編では実際の実用英語技能検定のサンプルから、出題される文章例とその解答例を私なりに分析しながら解説していきたいと思いますので、すぐにそちらを読みたいという方は、どうぞいってらっしゃい。
もし気が向いたら、また後ほど前編に戻ってきてください。
※現在、後編のブログ記事はまだ準備中です😊
そもそも要約とは何か
Cambridge Online Dictionaryによると、summarizeとは
“to express the most important facts or ideas about something or someone in a short and clear form“
つまり、“何かや誰かに関する最も重要な事実や考えを、短く明確な形で表現すること”を表します。
要約する(要約文を書く)とは、文章の要点を自分の言葉で簡潔に説明することです。要約は常に原文よりもはるかに短くなるということもポイントです。そしてその要約は自分の為にすることも多いですが、特に要約問題として試験などで解く場合に念頭に置くべきなのは、向こう側に<読者>がいることを意識して書くことです。つまり、段落の形式を用いて、読者が文章の主題を理解するのに十分な詳細を提供する一方で、主題に対する要約執筆者の個人的な理解を強調するのです。
Paraphrasing vs. Summarizing
英語圏の大学生であっても、このふたつの概念を同じであるかのように考えている人は少なくありません。では、どのような場合がパラフレーズで、どのような場合にそれを要約と言えるのでしょうか?
パラフレーズ(言い換え)とは、他人の考えなどを自分の言葉で、原文とほぼ同じ長さで詳細に言い直すことです。それに対し、要約とは、例えば他人の著作の最も重要な点を自分の言葉で短くまとめることです。
要約は、point-by-point(要点ごと)であることから、文をそのまま言い換えるよりもはるかに複雑な作業であると言えると思います。一節を要約する場合、まずは意味を吸収し、次に原文から最も重要な要素を自分の言葉でとらえる必要があり、さらに要約は必然的にパラフレーズよりも短い文にまとめ直さなければならないからです。
要約文を書く上で重要な4つのステップ
前述したように、要約の最大の目的は、読む人に(要約された文章を通して)原文を明確に理解してもらうことです。以下のステップに従って進めれば、あなたもきっと素晴らしい要約を書けるようになるはずです。
要約を作成する際に大切な要素は以下の4つです。
1. 主旨を見つける
2. 簡潔にまとめる
3. ジャッジせずに書く
4. 流れを確認する
それでは、これら4つのステップを詳しく解説していきましょう。
1. 主旨を見つける
有用な要約は、読者に情報を伝えるために、情報源を最も重要なポイントのみに絞り込んでいます。まずは、本文を読みます。原文がある程度長い(長いと感じる)ものを、いきなりたった一段落でまとめましょうと言われても、これは慣れていないとなかなか難しいと思います。その場合は、文章をセクションに分けてみましょう。読者に伝えたい主要なポイントを的確に選び、限られた文字数の中でも文章を賢く使い簡潔に伝えなければなりませんから、まずは自分の頭の中を整理してまとめるために、メモを取るというのも手です。
2. 簡潔にまとめる
要約は“書き直し”ではなく、元の記事や文章の短い要約です。原文をセクションごとに分けて考えてみる場合には、各セクションのキーポイントを特定するという作業が有効です。簡潔に要点をまとめるためには、冗長(じょうちょう)な文章や繰り返しのある文章は排除し、段落ができるだけ明確かつ簡潔になるよう心がけましょう。
3. ジャッジせずに書く
いよいよ要約を書く作業に入ります。文章の要約というものは、その文章の中から最も関連性の高い情報を集め、凝縮する作業であって、原文である文章を批評したり評価したりすることではありません。自分の言葉で書きながらも、自分の意見を加えるのは避けることが鉄則です。最重要ポイントは、原文から文をそのままコピぺすることなく、最も重要な情報やアイデアを正確に説明することです。
4. 流れを確認する
書いた要約を原文と照らし合わせて確認し、必要であればここで修正しましょう。文章に流れをつけるには、切り替えとなる表現が非常に有効です。トランジションワード(転換語)を使い文章を上手に繋げて、要約がより明確に伝わるように工夫することが大切です。
以上が、良い要約の書き方のヒントです。
重複してしまう点もありますが、さらに補足すると、以下が要約問題を解くためのさらなるヒントです。
▶ 要約文には、もとの文章の主要なポイントやアイデアはすべて含めるべきではありますが、文字制限があるために細かいディテールやアイデアは上手に避けなければなりません。ですので、筋書きのあらゆる側面や細かい点を要約に含めてしまわないよう気をつけましょう。
▶ 要約は必ず自分の言葉で書くこと。原文からの直接的な引用はせずに、あくまでも自分の言葉で要点を述べることが大切です。ただし、原文についての自分の意見や考えを書くのではなく、主要なアイデアをあくまで客観的に提示する。要約には、原文に出てくるアイデアのみが含まるべきです。自分の意見、解釈、推論、コメントを要約に挿入しないこと、これを徹底するだけでも減点を回避できると思います。
最後に
では最後に、オンラインで要約をしてくれるという便利なサイトをひとつだけ紹介したいと思います。月々の利用料がかかるものなどさまざまなサイトが存在する中で、こちらはいたってシンプルなサイトであるため無料で試すことができます。例えば英検の例題であったり、自分が要約の練習のために使いたいと思う文章などをこちらで入力してみて、ぜひ自力でやってみた要約との比較に役立てて下さい 。
もちろん、普段からChatGPTを使っているという人はAIをおおいに活用できると思います。独学でもぜひ自分に合った学習法を見つけて、楽しみながら英文要約を繰り返し練習してみて下さいね!

Summarizer
https://www.summarizer.org/
It is a free summarize tool, with no word limit and no daily limit. · It extracts key sentences and phrases using advanced AI techniques.
次回の後編では、実際の英検の出題例や解答例などを私なりに分析しながら詳しく解説していきたいと思いますので、ぜひまた次の記事でもお会いしましょう!
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